こちらのイベントは終了しました。ご参加いただき誠にありがとうございました。
この度、S-HOUSE Museumでは、織田信長や豊臣秀吉と同じようにサラリーマン自らの戦場であるオフィスで茶を点てる団体「給湯流茶道」の谷田半休氏をお招きし、京都・古今燕で茶会を催します。S-HOUSE Museumの参加アーティストからは、フィクションを手法として制作を続ける伊東宣明氏に出席いただきます。また、岡山S-HOUSE Museumでは、京都での茶会をライブ中継で見ながら煎茶をお楽しみいただけます。S-HOUSE Museumでしか実現し得ないコラボレーション茶会にぜひご参加ください。茶道初心者、現代美術初心者、どちらの方の参加も歓迎いたします。
規矩作法守りつくして破るとも離るゝとても本を忘るな(利休百首)
茶道には「見立て」という概念があります。しかし、この「見立て」という概念は極めて翻訳が難しい。あえて翻訳すれば”look like”となるでしょう。では、”like”とはなにか。周知の通り”like”は「好む」と訳されます。ところが、「好む」と「見立て」はまったく異なるように思われる。そこで、”like”の原義を調べると”suitable”という意味があると示されています。「適当だ/ちょうどよい」ということですね。つまり、「見立て」とは「適当だ/ちょうどよい」、という意味になります。本物や真実よりも「見立て」くらいが、ちょうどよい。茶道とは、かように適当なのです。
給湯室での茶道も、フィクションも、そしてアートも、「見立て」でしかないかもしれません。しかし、その「見立て」こそが、わたしたちにとってはちょうどよく、適当で、きっと何よりも本物なのです。
(S-HOUSE Museumディレクター・花房太一)
■詳細
・日にち:2021年11月27日(土)
・場所:京都・古今燕 (利休ゆかりの大徳寺そば)
http://www.kokinen.com/
〒603-8227 京都府京都市北区紫野北舟岡町27−84
・定員:各回5名
・茶席+トーク
第一席:13:00〜13:30
第二席:14:00〜14:30
※ご希望の時間を選んでください
トーク:15:00〜15:30(谷田半休×伊東宣明×花房太一)
※トークの時間まで会場内別室でお待ちいただけます。
・席料:3,000円
・お問い合わせ:コンタクトフォーム
■申し込み
以下のリンクより、チケットをご購入ください。支払い完了と同時に、申し込み完了となります。
■S-HOUSE Museumライブ茶話
岡山では少なくとも昭和60年代まで、商店、理髪店などで来客に煎茶を振舞いもてなす文化がありました。商店の一角にちゃぶ台があって、買い物をしなくても三々五々集まり、漬物や少々の甘味をお茶うけにして老人から子どもたちまで共によもやま話をしながらコミュニケーションを楽しんでいました。S-HOUSE Museum・CEO花房恭子の実家である河内理髪店でも同様の光景が見られました。売茶翁による権威づけられた茶の湯に対するカウンター文化としての煎茶を越えて、くつろぎを通してコミュニケーションを深める、馴染みのための道具として煎茶が生かされており「岡山煎茶道」ともいえる温もりのある文化が市井に根付いていたのです。
現代美術の最先端の展示空間である岡山市のS-HOUSE Museumと、日本の伝統文化の中心地である京都市の「古今燕」をライブ映像でつなぎ、現代美術を鑑賞しながら「給湯流茶道」と「岡山の煎茶」をお楽しみいただきたいと思います。
(S-HOUSE Museumプレジデント・花房香)
・場所:S-HOUSE Museum
〒702-8024 岡山県岡山市南区浦安南町445-8
・時間:13:00〜15:30(入退室自由)
・料金:投げ銭制(高校生以下無料)
・申し込み:不要
給湯流茶道(きゅうとうりゅう・さどう)
慶応義塾大学総合政策学部卒業。会社員をしながらサラリーマンとOLへ向け、彼らの戦場であるオフィスビルの給湯室で抹茶を点てる茶道ユニット「給湯流茶道」を2010年結成。利休の時代、信長や秀吉が戦陣で茶会をしていたというエピソードを現代に再現し、グローバル経済と戦う人たちの職場で抹茶を点てることにこだわる。フジテレビ、テレビ朝日、文化放送やCNN、BBCネットニュース、婦人画報や日経新聞などに取り上げられる。ロンドンやニューヨークの会議室や、金沢21世紀美術館、廃線になる鉄道の駅、阪急百貨店、道後温泉のストリップ小屋など、国内外で茶会を行う。シブヤ大学やUPLINKで日本文化の講座も企画。小学館・日本文化ウェブマガジン『和楽web』で執筆中。
伊東宣明(いとう のぶあき)
1981年奈良県生まれ、京都在住。2006年に京都芸術大学(旧:京都造形芸術大学)映像舞台芸術学科・映像芸術コースを卒業、2016年に京都市立芸術大学大学院・美術研究科博士後期課程修了、博士(美術)学位を取得。「身体」「生/死」「精神」といった生きるうえで避ける事のできない根源的なテーマを追求し、映像やインスタレーション作品を発表している。
近年の主な展覧会に、2020年個展『されど、死ぬのはいつも他人ばかり』(The5thfloor/東京)、2018年個展『フィクション / 人生で一番美しい』(WAITINGROOM/東京)、グループ展『CANCER THE MECHANISM OF RESEMBLING』(EUKARYOTE/東京)、2016年個展『アートと芸術家』(WAITINGROOM/東京)、グループ展『S-HOUSEミュージアム開館記念展』(S-HOUSEミュージアム、岡山、2016年より)、2015年個展『アート』(愛知県美術館 APMoA Project ARCH/愛知)、グループ展『GRAVEDAD CERO』(Matadero Madrid/スペイン)、2014年グループ展『牛窓・亜細亜藝術交流祭 – 瀬戸内市美術館』(牛窓シーサイドホール/岡山)、2012年グループ展『Me’tis -戦う美術-』(京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA/京都)、2010年グループ展『レゾナンス 共鳴 人と響き合うアート』(サントリーミュージアム/大阪)等多数。